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岐阜県 池田町

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あしあと

    今どきの猫の飼い方

    • 2022年7月14日
    • ID:2676

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    今どきの猫の飼い方

    よりよい猫との生活を楽しむために

     近年、猫を家族の一員として飼育しているご家族も大分多くなってきました。インターネット上の動画サイトではかわいい猫の動画の閲覧数が上位を占めており、テレビでも猫の特集を多く見かけるようになりました。今や猫は人にとって「癒し」「喜び」の存在となっており、ただ一緒にいるだけで穏やかで安らぎのある時間を与えてくれます。愛護センター等から猫を迎えてくださる方も多く、年々譲渡数も増加しています。

     一方、行政には、猫に関する苦情や相談も多々寄せられます。

     ペットの終生飼養は飼い主の責務です。猫の特性、習性を知り、適正に飼養することにより、猫と人がよりよく共生できる社会になるよう、ぜひ「今どきの猫の飼い方」について、多くの方に知っていただきたいと思います。

    1 今どきは、完全室内飼育

     「猫は外に出してあげないとかわいそう」と思う方も多いと思いますが、猫は狭いなわばりでもストレスなく生きていける動物です。猫を室内飼いする家庭は増えていますが、猫がストレスを感じて病気になったという話はなく、問題なく順応できています。

     登り降りの運動ができる場所と窓の外が見える環境を用意してあげましょう。また猫が好む爪とぎを用意すれば家具が傷つけられることもありません。最近の飼育用品は進化しており、トイレの始末も簡単です。脱臭効果のあるものも多く、家の中で飼っていてもフン尿の臭いがほとんどしなくなりました。猫は大変きれい好きな動物です。トイレはこまめに掃除をしてあげてください。

     外に出る猫は、交通事故や病気のリスクが非常に高く寿命は室内飼育の半分くらいとも言われています。また、公共の場所でのフン尿や物を壊すなどのご近所トラブルの原因にもなります。

    室内飼育のメリット

    1.交通事故の防止になる

    2.フン尿や鳴き声で近所迷惑になることがない

    3.ケガや伝染病の予防ができ長生きできる。

    4.行方不明になる心配がない

    2 今どきは、不妊去勢手術をして飼う

     「手術するのはかわいそう」「自然に任せるのがいい」などの意見もあるようですが、実際には手術をした方が猫も飼い主さんもストレスなく幸せに暮らせます。

     大人のオス猫は、非常に臭いの強い尿をあちこちに吹きかけるマーキング(スプレー行動)をしますが、去勢手術をすることでほぼなくなり室内飼育がしやすい猫になります。

     発情期のメス猫は甲高い大きな声で鳴き続けます。この時に根負けして外に出してしまうと、ほぼ100%妊娠します。猫の妊娠期間はわすか60日、環境が良ければ年2、3回妊娠し、1回に4から8匹生まれます。生まれてきた子猫の飼い主をすべて見つけることは大変困難です。困った飼い主は愛護センター等の行政施設に引き取りを求める方が多く、その子猫たちは殺処分の対象となってしまうこともあり、何の罪もない命を奪うことになってしまいます。

     不妊去勢手術は、猫が大人になる(生後6カ月くらい)までに行うと、オスやメスとしての行動を起こさず室内飼育に適した猫になってくれます。

     また不妊去勢手術をした猫は太りやすいので、猫じゃらしなどで遊んで運動量を増やしてあげましょう。

    不妊去勢のメリット

    1.不必要な繁殖を制限できる

    2.オスはスプレー(マーキング)行動をしなくなる

    3.メスの発情期特有の大きな鳴き声がない

    4.性的欲求に対する不満やストレスが減り性格が穏やかになる

    5.生殖器系の病気(子宮頸がん・前立腺など)の予防ができ長生きできる

    6.「恋人より飼い主が大好き」で生涯を過ごすことができる

    3 今どきは、首輪と迷子札(マイクロチップ)

     「外に出さないから着けない」という飼い主さんもいらっしゃいますが、役場環境課や保健所には「猫がいなくなった」という相談が寄せられます。猫がいなくなった理由としては、いつもすぐ帰ってくる、玄関が開いていた、窓を閉め忘れたなど飼い主さんのちょっとした不注意です。万が一の時でも猫が帰ってこられるように迷子札を着け、飼い主の名前と連絡先がわかるようにしておきましょう。

     また、突然の迷子、災害、盗難、事故などで迷子札が取れてしまった場合でも、マイクロチップは確実な身分証明になります。

     猫がいなくなってしまったら、保健所、警察、役場環境課に連絡してください。

    4 今どきは、きちんとワクチンを接種して飼う

     猫の感染症にはさまざまなものがあり、子猫の時にかかると死んでしまうこともあります。しかし、その多くは予防接種(混合ワクチン)で防ぐことができますので、必ず受けさせるようにしましょう。

     屋外にいる猫はさまざまな病原体を持っており、それらの猫とのケンカや、フン・尿・唾液などを介した間接的な接触で感染しますので、猫を外に出すのは大変危険です。

     室内飼育でも、猫カゼのウイルスを飼い主が持ち帰ることもありますので、混合ワクチンの接種をおすすめします。


    混合ワクチンで防げる病気

    (1)猫汎白血球減少症(FPV)

     パルボウイルスによる主として腸炎症状を起こす感染症で、幼猫の死亡率が高い。経口(糞便で汚染された体を舐めることや、糞便により汚染された食物の摂取)、経気道感染(飛沫を吸い込むなど)

    (2)猫ウイルス性鼻気管炎(猫カゼ)

     ヘルペスウイルスによて起こる伝染性呼吸器疾患。感染猫の唾液やくしゃみなどの飛沫により経気道感染する。

    (3)猫カリシウイルス感染症(猫カゼ)

     カリシウイルスによる伝染性呼吸器疾患。感染猫の唾液やくしゃみなどの飛沫により経気道感染する。

     この3つの感染症は、3種混合ワクチンで予防できます。

     通常、生後2カ月過ぎに1回、さらに1カ月後にもう1回接種することにより免疫が高まり、以後毎年1回接種すれば免疫が維持できます。

     室内飼育の猫でも、飼い主がウイルスを持ち込むことがありますので、予防が必要です。


    単独接種のワクチンで防げる病気

    (4)猫白血病ウイルス感染症(Felv)

     レトロウイルスの一種により白血病(リンパ肉腫)を起こす感染症。経口・経気道・咬傷などにより感染する。感染すると2、3年で発症し完治することはない。

    (5)猫免疫不全ウイルス感染症(FIV:猫)

     レトロウイルスの一種により起こる感染症。別名「猫エイズ」ともいわれる。喧嘩のときの咬傷などにより感染する。犬や人には感染しない。人のエイズ同様、免疫力を低下させる。症状としては難治性の貧血、口内炎、肺炎等がある。治療法はなく発症すると完治することはない。

     ※猫エイズウイルスを持っているすべての猫が発症するわけではありません。感染していても発症せず天寿を全うする猫もいます。


    予防法も治療法もない病気

    (6)猫伝染性腹膜炎(FIP)

     猫コロナウイルスによる伝染性疾患で、腹膜炎だけでなく種々の臓器が冒される。猫コロナウイルスに感染した猫の体内でウイルスが突然変異を起こすことで発症すると言われており、発症すると治療法はなく完治することはない。

     ※猫コロナウイルスは人の新型コロナウイルスとは別のものです。

     外で世話をしていた猫が近所で迷惑行為をしてしまう場合、まず考えてほしいのが室内飼育への変更です。今まで外で自由に生活していた猫や人慣れしていない猫を室内で飼うことには抵抗や不安もあるでしょう。しかし外飼いだった猫を室内で飼うことは必ずしも不可能なことではありません。保健所に引き取りの相談する前にぜひ試してください。