あしあと
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右手をあげ、左手を膝の上に置き右足を上に結跏(けっか)趺坐(ふざ)※し、薬壺(やっこ)を持つ通例の薬師如来像である。
一木造(いちぼくづくり)、彫眼(ちょうがん)、黒漆地(くろうるしち)で現在は古色(こしょく)を呈している。当初の部分は体幹部(たいかんぶ)のおおよそ中央から右側と頭部だけで、他の部分は後世の補修で補われたものである。
当初の材は、頭体幹部(とうたいかんぶ)を一木(いちぼく)から造り、体部のみ内刳(うちぐ)りを施す技法や像容(ぞうよう)などから、平安時代中期(十世紀後半から十一世紀中頃)の作と考えられる。
養基庵に安置される薬師如来坐像は、現在のところ町内最古の仏像である。
後世の補修が重なり、造像当初の部分は多いとはいえないが、制作時期を特定する特徴的かつ肝要な部分は遺されており、揖斐郡内でも数少ない当該時期の作例として貴重である。
この薬師如来坐像が養基庵に安置されるに至った経緯は不明だが、本像が現在地に存することが、周辺地域の歴史的・地理的特徴を究明する上で重要な手がかりとなる可能性は極めて高いといえる。
※結跏趺坐 両足を組み合わせ、足の甲を反対の足の太ももの上に乗せる座りかた。
岐阜県揖斐郡池田町田中290-4(養基庵)
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